村山市はバラ公園が有名で、バラ繋がりからブルガリアの新体操オリンピックチームをローズキャンプとして受け入れるなど、近年交流が盛んです。少なからずブルガリアと縁がある私達にとって、折しも東京オリンピック開催イヤーにその村山市の建て主さんと知り合うという少し不思議なご縁を感じました。
この家の立地は街中ですが、比較的敷地が広く全体の配置において多くの可能性があり、外構を含めた計画等に長い時間をかけました。建物自体としてはなるべく大らかに、一階の屋根軒を大きく張り出し両妻側に下屋屋根と柱を立てて外観のバランスをとりつつ適度な軒をつくり、夏の日差しを防ぎ多雪時にもある程度家の周囲を積雪から守ることができるように計画しました。二階部分は少しボリュームを絞りつつ外壁のメンテナンス性を考慮して一階屋根部分と素材的に一体化させて意匠的にまとめましたが、過度に無機的にならないよう、軒裏はスギの無垢板張りとしました。南面に設けた欄間窓からこの無垢板の軒裏が見上げられ、室内床や現しの梁材と供に漆喰塗りでまとめられた室内の壁とのバランスが程よく美しく感じられます。また、浴室は広めのタイル・板張りの造作浴室とし、浴槽は市内、次年子窯の焼き物風呂が採用されています。
データ(敬称等略)
設計施工 加藤建築
基礎・外構 平成グループ
木材 安孫子製材他
木工事 加藤建築
屋根板金 五大建板
サッシ トップ建材
木製建具 後藤建具店
左官・塗装 フジエイト
内装 インテリアムネカタ
電気設備 武田電工
衛生設備 イースト設備工業
2023年 竣工