中古住宅改修のすまい。
依頼主さんとは数年前に知り合い、当時の借家周辺の中古物件を探すところから相談していましたが、最終的に、近隣の中古物件をリフォームして住まうことに。
外周開口部の大半を樹脂サッシに交換、伴わせて外壁を金属サイディングで覆いました。
金属板の外壁は、軒の無い場合に有効です。新築時においてもそうですが、特に外皮材の選択においては、敷地の実況や既存建物の実況に合わせて、素材をしっかり選択することが重要です。
例えば軒の無い状態で、木製の外壁材等を使用すると、多湿・多雨の日本においては、すぐに木材の表面が傷んだり劣化したりします。
翻って室内においては、多くのリフォームのケースで、木部の汚れ止めとして強い塗膜をつくる塗装がなされたりしがちですが、木の表面が塗装によりピカピカに光ってる状態というのは、木の呼吸を妨げているということであり、その性能を十分に生かし切れていないということなのです。
この物件では、塗装をはじめ、極力ナチュラルな素材で内装を構成しており、薪ストーブの暖房を含め、総体として住まい手さんのナチュラルな生活感と呼応するように、慎重に素材選択を含めたデザインがなされています。
依頼主はりんご農家さんで、ものづくりにも長けたご家族です。その依頼主と設計・施工時において、良い意味で同調していくことで、彼等らしさを見出し、お気に入りの住まいへと繋げていくのです。

データ(敬称等略)
設計施工 加藤建築
木材  安孫子製材他
木工事 加藤建築
屋根板金 宗田板金工業所
サッシ やまぶきEX
木製建具 後藤建具店
左官 施主直営
鉄骨 カンノウェルディング
塗装 長岡塗装
内装 インテリアムネカタ
電気設備 小野でんき
衛生設備 イースト設備工業

2021年 竣工